沖タイ阿部岳記者「僕をブロックするな」 問われる記者としての資質

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 河野太郎防衛相が自身のツイッターで沖縄タイムスの記者をブロックしている問題につき2月21日の記者会見で「個人が暇つぶしでやっているものにとやかく言われることはない」と述べた。これに対し2月22日付けの沖縄タイムス電子版が批判的に報じ、また、ブロックされた阿部岳記者もツイッターで批判を続けている。沖縄タイムスと阿部岳記者の主張は著しく論理性を欠いており、メディアとして、記者としての資質を疑わせる。

■河野大臣「個人が暇つぶしでやっているもの」と一蹴

もともとこういう人なので…(阿部岳記者のツイッター等から)

 河野大臣は沖縄タイムスの阿部岳記者をツイッターでブロックしているそうで、会見では「誹謗(ひぼう)中傷うんぬんはブロックしている」、「個人が暇つぶしでやっているものにとやかく言われることはない」と述べた。この言葉で今回の問題は全て終了である。

 河野大臣にとってツイッターは国務大臣としての情報発信ツールではない。その発言に何の法的効力もない。もし、ツイッターを通じて国務大臣としての情報発信をしているとしたら、ツイッターにアクセスできない者(スマートフォンを持っていない等)が情報を得られなくなるわけで、その方が問題である。

 そうなると河野大臣にとってツイッターは個人の趣味の類の私人としての行為以外の何物でもない。個人の趣味の範疇に属する行為で、他者がその行動を制約できると考える根拠は何なのか。沖縄タイムスはそうした法的根拠は一切、明らかにしていない。

 西田亮介・東工大准教授の「公人がツイッターを使う場合はより広く国民に情報を発信できる環境を保持したほうが望ましい」というコメントをその主張の根拠としているようであるが、このコメントは逆に「望ましいが、強制はできない」ことを認め、河野大臣の行動に違法性がないことを担保している。一言で言えば、お間抜けな記事である。

■河野大臣は「情報を一律に公開する義務あり」とする不思議

 河野大臣にブロックされた記者が、阿部岳記者である。同記者は2月22日、こうつぶやいた。

 「もともと、河野氏が持っている情報は納税者の金で集めた納税者のものです。例外的な秘密を除いて、持ち主である納税者に一律に公開する義務があります。大臣のツイッターは『個人の暇つぶし』ではない。」

 1つ1つ見てみよう。

★河野氏が持っている情報は納税者の金で集めた納税者のものです。

→納税は国民の義務(憲法30条)であり、納税の代わりに国務大臣の有する情報を共有できるとする法的根拠はない。阿部氏の主張によれば、納税していない子供や低所得者層は情報提供の対象外ということになり、平等原則(憲法14条1項)に反する。

★例外的な秘密を除いて、持ち主である納税者に一律に公開する義務があります。

→憲法はそのような義務を国務大臣に定めていない。主張に法的根拠がない。

★大臣のツイッターは『個人の暇つぶし』ではない。

→大臣のツイッターは公務ではなく、そこでの発言に法的拘束力はない。個人の暇つぶしではないとするなら、その根拠を明示すべきだが、されていない。

 このように阿部記者の主張には根拠がなく、極論すれば自らの思い込みを客観的事実であるかのように主張しているに過ぎない。

■愛知県の大村知事のブロックに沈黙するのはなぜか

 沖縄タイムスと阿部岳記者がどのような主張をしても、それは表現の自由として憲法で保障される。そして、そのことは河野大臣にとっても同じである。

 自分の権利は主張するが相手の権利は認めないその姿勢が、メディアとして、記者として信頼されない原因であることに気付いた方がいい。

 ついでに言えば、河野大臣だけでなく、多くの政治家はツイッターでブロックを多用している。昨夏、愛知県の大村秀章知事は自らに批判的な人をブロックして話題になった。まず、阿部岳記者は大村知事に同じことを問うたらどうか。

 阿部記者が記者としての資質に欠けると感じるのは、このように主張に一貫性、論理性がなく、自らの主張に都合のいい相手に対して、都合のいい解釈だけを述べているからである。もう少し勉強し、論理的な思考法を身につけてから記者としての仕事を行うことを提案したい。使用者である法人としての沖縄タイムスにも考えていただきたい問題である。

"沖タイ阿部岳記者「僕をブロックするな」 問われる記者としての資質"に1件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    左翼側のお家芸“ダブルスタンダード”
    片方が良くても、もう一方はダメというアホさ加減

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