富士フイルムのコンパクトデジタルカメラ『FUJIFILM X100V』の公式プロモーション動画に登場したカメラマン鈴木達朗氏が街中で勝手に人を撮影するシーンが問題になっているが、もう一つ問題となっている写真がある。ツイッターにアップしたもので(現在はアカウントを削除)、公衆トイレと思われる場所で鏡に向かって自らを撮影、その背後に男性が放尿しているところが写っているもの。これは犯罪になる可能性があると思う。

■公衆トイレでの写真撮影は「グレーゾーン」

鈴木達朗氏のツイッターから(既にアカウントは削除されている)

 鈴木達朗氏の撮影方法について2月7日に警視庁に架電し、生活安全特別捜査隊の方に東京都迷惑防止条例に関して話を伺ったが、富士フイルムの公式プロモーション動画に関しては条例違反には至らないであろうというのが結論であった。(参照:富士フイルムさんどうなってるの? 街で勝手に人を撮影する暴走カメラマン

 これは僕も納得できる部分ではある。モラルとして許されないが、法令に違反するかと言われればそれは難しい。

 ところが、鈴木氏が自身のツイッターにアップした公衆トイレで撮影したと思われる写真はかなり際どい。警視庁でもその写真の存在は認識していた。担当者に聞くと「これがまさに陰茎が写っているというのであれば、ですが、放尿している姿だけというと…。自分を撮ってその後ろに写っている姿があるということですよね。グレーゾーンってところですかね」とのことであった。

■建造物侵入罪成立の可能性

 写真を見る限りはペニスそのものがはっきりとは写っていないので(影のように先端部分が写っているように見える)、直ちに検挙されることはないと思われるが、担当者はあくまでも東京都迷惑防止条例について「グレーゾーン」と言っただけである。

 迷惑防止条例ではなく、刑法で考えるとどうか。撮影場所は公衆トイレであろう。そうなると管理するのは都や市区と思われる。公衆トイレは撮影するための場所ではない。排泄行為中の他人が写り込むことを前提とした写真を撮影する目的で立ち入ることは管理権者の意思に反するのは明らかであり、建造物侵入罪(刑法130条前段)が成立する可能性は十分にある。

 更衣室に盗撮用のカメラを仕掛けたり、銀行のカードの暗証番号を盗撮するためにATM設置場所に入ったりした者に、同罪が適用された例は少なくない。

 この際だから、鈴木達朗氏に警告しておこう。

 警視庁は既にあなたの公衆トイレで撮影した写真を見ている。芸術の名の下なら、何をしても許されると思ったら大間違いだということを知るべき。あまりいい気になっていると、手が後ろに回る可能性があるから気をつけた方がいい。