認定NPO法人「国境なき医師団日本」(所在地:東京都新宿区、代表:加藤寛幸)は、2018年度に外務省から助成金、約1億5000万円の交付を受けている。業者から名簿を買って無差別DM送付を行なっているNPO法人に、公金による助成が行われていることに違和感を覚えるのは筆者だけではないだろう。果たして外務省はこの事態をどう考えているのか。直接、問い合わせた。

■助成金対象の事業の評価「一層の努力が望まれる」

外務省は国境なき医師団日本に助成金1.5億円を拠出

 国境なき医師団日本が外務省から助成金の拠出を受けていることは、同団の2018年度事業報告書でも明らかにされている。それによると助成金の額は1億4956万円。バングラディシュで問題になっている避難民のロヒンギャ族の問題に関してのみ使用するという条件で拠出されたという。

 実際、ロヒンギャ問題では国境なき医師団のホームページには多数のニュースが掲載され、同団体が危険な地域で奮闘する様子が伝えられている。

 もっとも外務省が公表している「行政事業レビューシート」では、その活躍ぶりはそれほど評価されていない。行政事業レビュー推進チームの所見としては「今後,国際機関側から新たに拠出の依頼があった場合には、国際機関評価を実施すると共に、これまでの事業レビュー結果を踏まえて、拠出の適否及び規模につき判断する。」と芳しくない所見が掲載されている。

 さらに外部有識者の声もあり「日本のプレゼンスを現地住民に十分理解してもらう一層の努力が望まれる。」と、明確に努力不足とする評価が記されている。要は外務省は結果的に(ムダ銭を支払ってしまった)とも思える趣旨を公表しているのである。

■名簿購入とDM、外務省は「把握していませんでした」

 助成金が全て効果的に活用されるかといえば、必ずしもそうではないだろうから、結果的にあまり効果を発揮しなかったことは仕方のない部分もある。それよりも問題は業者から名簿を買って無差別DMを送るような団体に公金が支出されていることである。

 実際に助成金を支出した外務省国際協力局国別開発協力第二課にその点を電話で問い合わせたところ、以下のような答えであった。

 「こちらでも国境なき医師団日本の活動を承知しているわけではありません。使い道を指定して助成金を出している状況でして、(国境なき医師団が業者から)名簿を買ってという状況は、こちらとしては把握していませんでした。」

 国境なき医師団日本では、そうしたことを数年間に渡り行なってきたが、その事実を表に出さないまま外務省に助成金を要求していたのであろう。外務省としても、そのようなことが行われていることまで把握できるわけがない。それは仕方のないことである。

■外務省内で情報共有、今後の事業の際の参考に

 今後については外務省担当者は「いただいた情報については共有をいたしまして、今後、国境なき医師団との事業をするという場合には、検討する際の参考にさせていただきたいと思います」とのこと。

 さらに、「事業を実際に検討した段階で、それをどこまで考慮するかというのはまた相談しなければならないのかなとは思いますので、今すぐにお答えするのは難しいです。個人的な見解になりますが、そこはもう国境なき医師団日本で検討していただくしかないのかなと思います」ということであった。

(続く)

※筆者は情報をお待ちしています。国境なき医師団日本事務局から手紙が届いたという方、あるいは内部にいらっしゃった方など、情報をお寄せください。