世間は沢尻エリカ容疑者逮捕で大騒ぎだが、そんな中、スポーツニッポン(スポニチ)が11月17日、タレントのSHELLY(35)さんの離婚を伝えた。このニュースそのものに感想はないが、気になるのは記事の冒頭で「日米ハーフの人気タレント」としていることである。両親の国籍を挙げる事に何か意味があるのか、他者との異質性を強調することがヘイトに繋がらないのか。メディアとしての意識の低さには呆れるばかりである。

■沢尻エリカ容疑者は「日仏ハーフの人気女優」か?

11月17日付けスポニチ電子版から

 問題の記事の書き出しにはSHELLYさんを紹介する形で「日米ハーフの人気タレント」と書かれている。ところが、本文で示された離婚の経緯に関しては、特に彼女の属性についての言及はない。プロフィールの部分で「父親はイタリア系米国人、母親は日本人」と記載があるのみ。何のために冒頭で「日米ハーフの」という修飾節を持ち出しているのか、その意図が分からない。

 日本人の多くは両親ともに日本国籍であることは事実であろう。そうした多くのパターンとは異なることを、あえて持ち出すことの意味は何なのか。そのことは民族性を基準にしたカテゴライズに繋がり、ヘイトに繋がるのではないか? ヘイトはスポニチの親会社の毎日新聞が特に批判している部分である。

 スポニチはタレントの両親の国籍が重要と考えるなら、今、話題の沢尻エリカ容疑者は「日仏ハーフの人気女優」、大鶴義丹さんは「日朝ハーフの人気俳優」と書けばいい。

■ベッキーさん、ローラさんなども活躍

 確かに、ベッキーさんやローラさん、トリンドル玲奈さん、ダレノガレ明美さん、マギーさんら、両親のいずれかが日本国籍ではないことを隠していない、むしろ、それを売りにしているタレントは存在している。SHELLYさんもその一人なのかもしれない。

 しかし、本人が隠そうが隠すまいが、当該人物の両親の国籍の構成を示して本人をキャラクター付けをするのは「彼らは他の大多数の日本人とは異なる存在」ということを示している点においては変わりはない。ことさら当該人物の異質性を強調することは、ヘイトの第一歩だと僕は思う。

 2014年3月埼玉スタジアムで行われた、Jリーグの浦和の試合で「JAPANESE ONLY」という人種差別的な横断幕が掲げられた時に、メディアはどう報じたか。スポニチは毎日新聞系であるが、毎日新聞はどう報じたのか。過去の記事をよく読み返してほしい。

■書く方も書く方なら、それを通すデスクも…

 今、スポーツ新聞は売り上げ低下に悩んでいる。ネットの発展、浸透という側面はあるにせよ、このレベルの記事を書いていたら、まともな人間はスポーツ新聞など読もうという気にならないだろう。

 書く記者もお粗末なら、それを通すデスクもお粗末、そんなデスクがいる会社もお粗末と言うしかない。