フリーランスのライターをしつつ日本人や留学生に小論文を教えているが、特に留学生が書く論文は日本人にはない発想で書いてくるだけに面白い。先日、南アジアのある国からやってきた留学生が書いた作文が日韓関係に関するもので、なかなか興味深い内容だった。

■小論文を書かせたら、まさかの内容

外務省HPから

 小論文は、海外から発展途上国を支援する場合、人や物を送るのがいいのか、それとも知識や技術を送るのがいいか、双方の方法に触れながら自分の考えを書けというもの。この問題の一般的な正解としては、状況によって使いわけろというものであろう。

 つまり食料や医療品が不足して危機的な状況なら直接的に人や物を送り、その国の長期的な発展を考えるなら知識や技術を伝える方がいい。留学生も大体分かっていて、その線で書いてくる。ところが南アジアのある国の男子生徒は次のような内容を書いてきた。

 「援助をする場合、知識や技術をそのまま教えるのは、その国にとって危険だ。日本の車、携帯電話などの技術を盗んだ韓国はその例である。発展途上国であった韓国に全部知識や技術を教えたせいで、今、日本の特徴を韓国が有している」。

 その作文に書いてあることが真実なのか僕は知らないが、その南アジアの国ではそう思われているのであろう。

 日韓国交正常化の後、日本の企業が韓国の企業に技術を伝えたところ、技術を習得した韓国企業は「もう俺たちでできる。お前ら来るな」という態度だったと聞く。韓国のサムスン電子は日本の企業の技術者を引き抜いているという話もネット等でよく目にする。事実だとすると寂しい話。

■中国人の前で話した昭和天皇と終戦

 世界には様々な国があるから、様々な考えがある。だから僕は生徒にあまり政治の話はしないし、政治の話をする時は「事実だけ話します。それについて僕の考えは述べません」と断ってから話す。

 以前、中国人ばかりの生徒に、昭和天皇の話をした。マッカーサー元帥との会見の話、それからポツダム宣言の受諾を決定した御前会議の話などである。「ポツダム宣言の受諾を昭和天皇が決めた時、自身は命はないと覚悟していただろう。それが戦争というものだ」という話をした時に、生徒は静かに聞いてくれた。

 中国ではそういう事実までは教えないだろうから、何かの役に立つかもしれない。そういうちょっとした国際交流ができるのが、講師という仕事の楽しさである。