「甘い」と言われても、僕は田口淳之介被告を信じてみたい

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

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青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。
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 大麻取締法違反(所持)で起訴されたKAT-TUNの元メンバー・田口淳之介被告が6月7日に保釈された際に土下座をしてお詫びをしたことについて、周囲は結構、冷ややかである。タレントの竹山隆範氏は自身のツイッターで「ん~、ドラマじゃないんだから、それはやり方が違うのよ。芝居掛かっちゃ現実は逆効果になるのよ。」などと呟いた。

芸能人の謝罪する姿はそれなりに美しい

 同じ芸能界で生きている人だから、それなりに説得力のある話だとは思う。世間の反応も「土下座するぐらいなら、最初から大麻なんて手を出すな」というのが最大公約数的なものではないだろうか。僕もそれには同意する。ただ、僕の場合、そうした世間の反応とは少しだけ違う感想も合わせ持っている。

 土下座をパフォーマンス的にする人というのは確かに存在するし、そうした人たちの狙いはたった一つ、「自分はこれだけ反省しているのだから、許してほしい」ということだと思う。田口淳之介被告の場合はどうか。彼が土下座をして謝ることのメリットが僕には分からない。

 彼は芸能活動をしばらく休むことを明らかにしたが、それは将来の復帰を念頭に入れたものであるのは明らか。そこに向けてのパフォーマンスという考えはできなくもないが、何年先になるか分からない、そして出来るかも分からない復帰に向けての行動だとしたら、いかにも効果は不確実である。事実、共犯の小嶺麗奈被告は報道陣には一切対応せずに警視庁湾岸警察署を後にした。

 結論を申せば、彼は本当に自分のやったことの過ちの大きさに気づいたのではないかな、と彼の行為を見た時に僕には感じられた。彼には自分の反省の心を表現する手段があのような方法しか思い浮かばなかったのではないかと、勝手に彼の心の中を想像している。若い頃から芸能界で生きてきて、ある意味、世間ずれしていない部分があるのかもしれない。そういうある種、幼い人間が留置場で色々と考えて出した結果が、あのような形になったのではないか。「金輪際、大麻などの違法薬物、そして犯罪に手を染めないことをここに誓います」という言葉も、本気で思っていなければ言えないセリフであると思う。

 芝居がかっていたとは思うが、それは彼が芸能人だから、そうなるのも仕方がない。誤解を恐れずに言えば芸能人が保釈される時の謝罪の様子は、それなりに絵になるものである。2009年9月27日、酒井法子さんが覚醒剤取締法違反(所持)で起訴された後に保釈される際の頭を下げる姿が美しかったのを思い出す。

 甘いと言われても、僕は彼の反省を心からのものと信じ、更生を信じたい。

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