丸山穂高議員がメディアから集中砲火を浴びている。北方領土のビザなし交流で酒に酔い、訪問団の団長に「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」などと言った件で、あくまでも議員辞職しないと突っぱねて批判派を勢いづかせた。

メディアは憲法21条1項をよく読んでほしい

 さらに、5月23日発売の週刊文春が当時、丸山穂高議員が「これから外出して女買いに行くんだ」と叫んでいたことなどを伝えて、ネット用語で言う「燃料投下」された状態になっている。 

 2015年にも酒に酔って一般人とトラブルを起こしたとされているし、一言で言えば「酒に飲まれるタイプ」の人なのであろう。はっきり言って国会議員としての資質に欠けると思う。

■丸山穂高議員の「言論の自由」に対する一部メディアの対応

 ただ、以前にも書いたが、これを批判するメディアが丸山穂高議員が主張する「言論の自由」に対して、明確な説明をしていないのは気がかり。

丸山穂高議員事件で「思想の自由市場論」を否定する東京新聞

 それどころか、一部の新聞は世論に乗って魔女裁判の検察官のような役割を果たしているのには唖然とするばかりである。議員辞職勧告決議案が提出された場合に丸山穂高議員は5月15日にツイッターで「こちらも相応の反論や弁明を行います」と表明しているし、与野党合意で審議に入れば「この国の言論の自由が危ぶまれる話でもある」とツイートしている。正面から言論の自由のあり方について問うているのである。この点についての一部の新聞の社説を見てみよう。

東京新聞:言論の自由を持ち出して辞職しない意向を示したが、筋違いも甚だしい。…「言論の自由」を持ち出して議員の地位に恋々とするとは何事か。(5月17日付け)

朝日新聞:内容のみならず、酒に酔っていたという状況からしても、言論の自由をうんぬんできる次元のものではない。(5月23日付け)

北海道新聞:戦争を肯定するかのような発言は、決して口にしてはならない。(5月18日付け)

 どの新聞も丸山穂高議員の言論の自由の主張に対する明確な反論がない。東京新聞は「筋違い」、朝日新聞は「言論の自由で語るな」として、そこから問題を逸らそうとするのみ。北海道新聞は非常に分かりやすく、言論の内容によっては「口にするな」と命じており、自分たちが気に入らない主張は言論することを許さないということである。スターリンの時代のソ連はこのように考える人が多かったのかもしれない。

■言論の自由の重要性、メディアは自分の首を絞めるのか

 言論の自由は、まさにメディアの活動の根幹を支える自由。それを制約することはメディアにとっても自らの首を絞めかねない。世論に便乗して、あれこれ叩くのは結構だし、酒に酔って行なった一連の迷惑行為から丸山穂高議員が国会議員としての資質に疑問を投げかけ、辞職すべきであるとするのは当然であろう。しかし「言論の自由」の部分については「それは確かにそうだ」と認め、思想の自由市場論や対抗言論の原則を示すのが、民主主義を支える機関でもあるメディアのあるべき姿だと、僕は思う。

 そうして考えてみると、上記の3つの新聞が言っていることは、魔女裁判の検察官と同レベルであろう。