朝日新聞の希望「戦争は人間同士で殺しあえ」

The following two tabs change content below.
松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

 久しぶりに朝日新聞の社説を読んでみた。タイトルは殺人ロボット  拘束力ある規制めざせ

自律型致死兵器システム同士が戦えば死者ゼロでは?

 この日の朝日新聞は、人工知能(AI)を使い、人間の関与なしに敵を攻撃する自律型致死兵器システム(LAWS)について、日本政府はLAWSの禁止条約を目指す日本の姿勢を明確にすべきであると主張している。

相変わらずの朝日新聞(笑)

 その理由は「(LAWSは)人を殺すことに、ためらいはない。殺されるという恐怖心もない。死傷者を減らせるという指摘もあるが、そのことが逆に、戦争への敷居を下げかねない。AIによる判断の誤りや、誤作動、暴走していく危険もあるだろう。その時、だれが責任をとるのかもわからない。」と書いている。

 何か変な主張じゃないか? つまり朝日新聞は「戦争は人間同士で殺しあえ」と言っているのである。殺すのも殺されるのも嫌なら、LAWS同士で戦争した方がいい。なぜなら戦闘が起きても死傷者はゼロだからである。戦争への敷居が下がっても死傷者がゼロならよっぽど人道的と言えるのではないか。

 「誤作動、暴走していく危険もある」と言っているが、人間同士の戦争で非戦闘員への攻撃、婦女子への暴行など数多く行われてきた事実を思えば、その点に限ればLAWSの方がよっぽど安全である。少なくとも戦時の性暴力は絶対に起きない。

 ちょっと考えれば分かりそうなものだが、なぜ、朝日新聞はこんな主張をするのだろうか。LAWSの開発が進めば、それを開発できない国が著しく不利になる。常識的に考えて最も有利なのは米国であろう。世界の警察官としての役割を放棄しつつある米国が、LAWSによって再びその地位につく可能性があるのが気に入らないのかもしれない。

■戦争は「絶対悪」という考えから抜け出せない朝日新聞

 もう一つ考えられるのは「戦争は絶対悪」という単純な発想に基づいているから、兵器の開発にはすべて反対という立場に立ってしまうのではないかというもの。感情もなくまさに機械的に相手の兵士を殺傷するLAWSに対して、生理的な嫌悪感を覚えているだけではないのか? 報道機関なら、LAWSによって一種の抑止力が生じるメリットや、どの国が開発が進むことが、より恐ろしい事態になるかという点も考えなければならない。

 戦後、日本の平和が守られたのは米軍の核の傘に入っていたからである。米国が圧倒的な力を有することが、日本の安全につながるという現実に我々は目を向けなければならない。社説にもあったが、LAWSは中国が開発中とされる。

 LAWSについて中国が圧倒的な力を持ったとしたら何が起きるか。中国は台湾に対して武力行使も辞さないと言っていることをよくよく考えるべきであろう。また、近年、北朝鮮が核兵器とその運搬手段の開発に全力を挙げていることを忘れるべきではない。

 禁止条約など守るつもりがない国が存在する以上、安直にLAWSの禁止条約を進めることは日本の平和と安全を脅かすことになるということまで考えれば、こんな薄っぺらな社説は書けないと思うが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です