5月31日朝日新聞社説「安倍論法にうんざり」に、うんざり

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松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

松田 隆🇯🇵 @東京 Tokyo🇯🇵

青山学院大学大学院法務研究科卒業。1985年から2014年まで日刊スポーツ新聞社に勤務。退職後にフリーランスのジャーナリストとして活動を開始。

5月31日、朝日新聞の社説を見てみよう。タイトルは「党首討論 安倍論法もうんざりだ」。まず、このタイトル、「もう、うんざりだ」の間違いではないだろうか。デジタル版を見ると見出しで「う」が1つ欠落しているように思う。そうだとしたらお粗末な話である。

これ「う」が欠落してない?

それはともかく、社説は5月30日に行われた党首討論について論じている。「質問に正面から答えず、一方的に自説を述べる。論点をすり替え、時間を空費させる」と安倍首相の態度を批判している。しかし、委員会で審議された森友・加計問題について聞いても、同じ答えが返ってくるのは明らか。それを時間を空費させると批判するのであれば、その矛先は、その質問ばかりしている野党に対して向けるべき。委員会審議ではなく党首討論の場なのだから、安倍首相の言うように「骨太な政策論議」を期待する国民は多かったと思う。

社説は、加計学園が理事長と首相の面会を捏造していたと発表した問題で立憲民主党の枝野幸男代表が首相が問題視していないことい疑問を呈したのに対して、首相が「訴訟になれば時間がかかる」とその意思がないことを明らかにした点を攻撃している。この点を「枝野氏は首相が問題視していないことに疑問を呈しただけで、学園を訴えるべきだと迫ったわけではない。明らかに論点をずらしている」と断じた。

これは論点をずらしていないと思う。枝野氏は「何で問題視しないの?」つまり「問題視すべきでしょ?」と言っている。伝聞証拠を持ち出した相手の発言を否定しているのだから、その相手に対して何らかのアクションを起こしたらどうですかということ。弁護士であることが信じられない発言ではあるが。

伝聞証拠は法廷では原則として証拠能力を持たない。また聞きで真実を立証できないという原則は、司法の場だけの理論ではないはず。そもそも伝聞証拠に対して別にアクションを起こす必要などない。その事実を否定すれば済む。実際にその証拠の原供述者である加計学園が面会の事実を否定してだめ押しをしている。

枝野氏は「疑惑は晴れていないぞ」と主張したいのであろう。それに対して首相は「疑惑というのが伝聞証拠の上に成り立っている」から別にそれ以上、何もすることはない、訴訟も考えていないというのは論点に直接答えていると僕は思う。

メディアは権力の監視者としての役割はある。しかし朝日新聞は、その役割がすべてと思い込んでいるのかもしれない。そのあたりが朝日新聞の社説が常にどこかズレている原因になっているように思う。メディアはまず真実を伝え、客観的に分析する必要がある。真実を伝えず主観的に分析しているのが今の朝日新聞だと、僕は感じている。

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