5月25日の朝日新聞社説は「米朝会談中止 対話の扉を閉ざすな」というタイトルでトランプ大統領が米朝首脳会談を中止したことについて触れていた。これについての音声データはこちらから。

大局を見据える朝日新聞(笑)

非常に分かりやすい社説で、朝日新聞の立場は、はっきりしている。「どうすれば朝鮮半島の非核化と冷戦構造に終止符を打てるか。その大局を見すえて今後も粛々と対話を続けるべきだ」、あるいは「今後も忍耐強く朝鮮半島の完全な非核化を追求するほかない」としていて、とにかくアメリカが軍事オプションを行使するのはダメ。話し合いで非核化を実現しろと言いたいのは明らか。話し合いで非核化ができるなら、とっくに実現しているであろう。

おそらく朝日新聞は戦争を「絶対悪」ととらえているのだと思う。そのスタンスに立つと北朝鮮の主張に与することになるのは、ほぼ確実。これまで北朝鮮は20年以上も前から核開発を取引材料にして、時間稼ぎと約束を反故にすることを繰り返してきた。北朝鮮が世界を欺き続けたことをどう考えているのか、理解に苦しむ文章である。アメリカはそれは繰り返すつもりはなく、非核化=体制保障という非常に分かりやすい条件を出している。

北朝鮮は中国の後ろ盾を得たと思ったのか、再び過去の作戦に戻ろうとしているから、アメリカとしてはすかさず「それは通用しないよ」ということなのであろう。

朝日新聞が「大局を見据えて」と言うのであれば、そうした北朝鮮の過去の行動を見て、本当に核を放棄する考えがあるのかを見据える必要がある。ところがそうせずに、とにかく戦争はダメ、話し合いをしろというのでは世界を騙し続けてきた北朝鮮の策にハマれ、と言っているに等しい。

批判されるのを覚悟で言うならば、戦争は絶対悪ではないと僕は思う。拉致という現在進行形のテロを行い、多くの国民の基本的人権を踏みにじる独裁者にまともな話など通じるはずはない。犠牲を払ってでも排除することが結局、北朝鮮や周辺の国々にとって最大多数の幸福をもたらす可能性はあると思う。

「粛々と対話を続けるべきだ」と言って一番喜ぶのは誰か、朝日新聞はそれを考えて社説を書かないといけない。今回の決定でアメリカの軍事介入の可能性が一段と高まったと、僕は思っている。