箱根駅伝で青山学院大学は総合2位に終わった。OBとしては残念だが、復路優勝で高い能力を示してくれたのは嬉しい。しかしネットでは原晋監督への批判が始まっている。色々な考えがあるから匿名であれこれ言うのにいちいち反応するのもバカバカしいが、それでも「どうなのかな」と思う部分はある。今日はその点に触れてみよう。

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総合優勝のない青学は5年ぶりか…

 原晋監督への批判についてネット上の声を拾うと最も多いのが「テレビに出すぎたから負けたんだ」といった声。勝っている時もそういう声がなかったわけではないが、負けるとこの種の批判は必ず出てくる。指導者がテレビに出ることと、負けることの因果関係など何も分からない。こういう声は昭和の時代からあり、単に出る杭は打たれるという趣旨と考えればいい。

 僕が以前、青学の職員の方に聞いた話だが、原監督は当初は期限付きの契約だったが、現在は正式に職員として雇用契約を結んでいるとのこと。いずれにせよ雇用する青山学院の許可が得られれば、業務時間外の活動については自由。そしてメディアで多くの意見を発信することは青山学院にとって様々な面でプラスになると思う。そうした行為を他者から批判される謂れはない。

 結果を残せなければ解任されるのが勝負の世界。雇用契約はあっても監督を解任されれば青山学院に残ることは難しいだろう。監督はそうした厳しい環境の下で働いているわけで、もし学生の指導がうまくいかなくなり、結果が伴わないようになったら、それはすべて本人が責任を負うと思う。だから僕は原監督には他者の声など気にせず、これまで通り好きなようにやってほしいと思っている。

 また、今回の大会を振り返って監督はこのように述べた。「往路が残念。もっと私自身が往路の大切さ、4区の難しさ、大切さを自分自身に圧力をかけて考えるべきだった」。これが批判の対象になっている。

 つまり4区の岩見秀哉選手が区間15位の大ブレーキとなってしまったことが最大の敗因であると分析し、自身に起用した責任があると言っている発言に対して「4区の選手に責任を押し付けるのか」「4区の選手が可哀想」という声が上がっているのである。

 確かに4区で東海大学とは1分55秒の差をつけられており、最終的な差である3分41秒の差を考えれば大きなポイントとなったのは間違いない。これは4区の岩見選手自身も十分に分かっているはず。選手はいい結果を出せば大きな栄誉に浴することができるし、逆の場合は周囲からバッシングを受けることもある。学生スポーツとプロスポーツは異なるが、これだけ大きな注目を集め本人も大きなリスクを覚悟で出てくる大会だから、指導者が「誰の責任でもない」などと庇うより、客観的に指摘してもらった方が、選手もよっぽど楽だと思う。そして最終的に原監督は起用した自らの責任と言っているのだから、潔い態度ではないか。岩見選手はこの悔しさを糧に来年の大会、その後の人生を歩めばいいわけで、これも大事な指導である。

 箱根駅伝は何かと古臭い学生スポーツの象徴のように言われ、一部の批判を受けるが、ネットの声こそが昭和の時代の発想から抜け出せていない、合理性を欠くようなものに感じる。というわけで、原晋監督には今まで通り、積極的にメディアに出て様々な情報発信をしていただければと思う。そして来年は東海大学を倒して再度、王座に就くことを願っている。