少し前のことになるが、7月26日にオウム真理教の元信者の死刑囚6人の死刑が執行された。これでオウム真理教関連で死刑判決を受けた13人、すべて刑が執行されたことになる。

豊田亨はすでにこの世になく・・

最初に言っておくが、僕は死刑存置派である。その意味では司法が出した判断に従って、刑が執行されることは当然だと思う。オウム真理教の死刑囚を見ると、7月6日に先に執行された7人は麻原本人を含み、井上嘉浩、新実智光、早川紀代秀など多くの事件で中心的な役割を果たした者、全く反省がないと思える者に加え、サリン製造に関わった人間であり、何となく「先にやられる」だけの理由があるように思えた。

法務省は死刑の順番について理由を明らかにしていないようだが、犯情の悪質さみたいなものが考慮されているような気がするのは僕だけではないだろう。

そして今回の6人。個人的には前回の7人に比べてショックが大きい。法の適正な執行という点ではいいのだろうけど、豊田亨みたいに真摯に反省しているであろう人が処刑されるのは、分かってはいても辛いものがある。

地下鉄サリン事件の実行犯で唯一死刑を免れた林郁夫の場合は自首に相当し、事件の解決に大きな貢献をしたこと、反省が顕著であること、被害者感情も悪くないことなどから無期懲役になったが、豊田亨の場合、少なくともその精神状況については、林郁夫とそれほど差があるようにも思えないのだが・・。それに豊田亨がサリンの散布役になったといっても教団の決定に逆らえず、間接正犯の道具という側面もあったのではないかと思う。それを麻原彰晃と同じ死刑執行というあたりにどうにも居心地の悪さを覚える。

豊田亨の一審の最終陳述は「犯した罪はどんな罰でも償えない。生きていること自体申し訳なく思う」だったと伝えられている。彼自身、そう思っているのだから、執行は適正ということなのであろう。法治国家が法治国家としてあり続けるための、必要なコストと考えるしかないのかもしれない。

今回の件があっても死刑存置派としての個人的な考えは微動だにしないが、それでも豊田亨のような場合、何とかならなかったのかなという思いがしてならない。