日弁連が11月20日に、死刑制度についてシンポジウムを開いたそうだ。日弁連だから、どんなスタンスで何を言ったか、大体のことは想像がつきそうである。

死刑を廃止するなら憲法改正をどうぞ

そもそも死刑を行う根拠は憲法にある。僕たちがロースクールで学んだのは「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」(13条後段)、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」(31条)の反対解釈。最高裁も「憲法は・・刑罰として死刑の存置を想定し、これを是認したものと解すべき」(昭和23年3月12日大法廷判決)と判示している。こうして国民は死刑を予定する憲法を70年近く守ってきた。

僕個人の死刑制度に対する是非はひとまず置き、いつも感じるのは死刑廃止論者の主張の歯切れの悪さ。死刑という制度を認めるか否かは、国の根幹部分、国のあり方に関わるから、憲法にしっかりと規定すればいいと思う。死刑を廃止しろというのであれば、憲法を改正して死刑を禁止する規定をつくればいい。しかし、そういう意見は聞いたことがない。

もし、現行憲法で死刑を禁止・廃止するとすれば、以下のような感じだろうか。

・13条後段から「生命、」を削除する。

・31条から「生命若しくは」を削除する。

・36条2項を新設し「生命を奪う刑罰はすべて前項の残虐な刑罰にあたり、死刑制度はこれを認めない」とする。

これを死刑廃止論者は堂々と訴えるべきだと思う。

憲法が死刑制度を予定しているのに、法律段階、執行段階で事実上廃止しろというのは法治国家としてどうなのよと誰しもが思うはず。こういう大事なことこそ国民的議論が大切。それを死刑廃止論者がしないのは、各種世論調査で八割以上が死刑存続に賛成という数値があるから、絶対に憲法は改正できないと考えているからなのだろう。そこで憲法を軽視(無視)して法律や行政、執行段階で死刑を事実上廃止してしまえというのは法治国家の否定だと思う。

死刑廃止を推進する議員連盟の福島みずほさん(社民党)らは、日頃憲法を守れと強く主張している。だったら死刑を予定する現行憲法の精神を守ってくれよと言いいたいのは僕だけではないと思うよ。