今日は12月26日の東京新聞の社説「レーダー照射 危険性認識し、冷静に」を取り上げよう。

 東京新聞は12月20日の能登半島沖の事件ついて論じている。海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍の駆逐艦の付近を通過した際に、火器管制レーダーを照射された事件である。

東京新聞の韓国に対する異常な優しさは何なのか

 事実関係を僕の方から説明すると、事件発生後、日本側は照射は数分間続く意図的なものであるとした。一方、韓国サイドは当初、火器管制レーダーを作動させたが、「哨戒機を狙う意図はなかった」と稼働を認める発言をしたと報じられた。ところが12月24日に韓国国防省は光学カメラを作動させた際、火器管制レーダーのアンテナが動いたものの電波放射はなかったとして、日本側の主張を否定。日韓外交当局者による同日の会談は、平行線のまま終わった。

 東京新聞は「火器管制レーダーは警戒監視レーダーと違い、攻撃のため対象に電波を当てる。「攻撃の前段階」であり、極めて危険な行為だ」と指摘している。僕は軍事問題には素人だが、いわゆるロックオンと呼ばれるものなのであろう。そして東京新聞は「韓国側の説明は揺れており、あいまいな点も少なくない」と書いている。

その上で、東京新聞が韓国側に求めているのは2点。

・(韓国側は)納得できる証拠を示してほしい。

・軍事機密も絡んでいるだろうが、対話を重ねて真相を明らかにし、再発防止を徹底してほしい。

 どう見ても韓国側の不手際で、それを言い逃れしようとしている現状だと思うが、ひとまず、その点はおくとしても、韓国側に求めるのはこの2点だけでいいのか? 納得できる証拠を示せということは韓国側の主張の根拠となる証拠を示せというものであろうが、韓国側がそれを出せば日本サイドの誤認であったということで、それは多分、ありえない。

 その上で「再発防止を徹底してほしい」ということは、証拠を示せなかった場合には再発防止をということであろうが、それだけでいいわけがない。まず謝罪である。極めて危険な行為を友好国の飛行機に対して行なったのであるから謝罪させなければいけない。その上で再発防止策を講じることになるのが通常の思考である。道を歩いていて、いきなりピストルで数分間狙われて、「再発防止を徹底してほしい」で済ませる人間などいない。人間なら殺人未遂が成立しうる事案、行為に対する責任を負わせてから、再発防止を論じるのは当然。今回の行為に対する韓国側の責任は謝罪と、関係者の処罰である。

 さらに東京新聞の迷走は続く。日本側が謝罪を求めている点について以下のように書いている。

 「元徴用工をめぐる訴訟で、日本企業に賠償を求める韓国最高裁判決が相次いでいるためだ。日本企業の資産差し押さえに向けた動きも表面化してきた。このぎくしゃくした雰囲気を反映し、日本側では、韓国側がレーダー照射を認め、謝罪するよう求める声が高まっている」。

 まるで他の政治的な動向によって謝罪を求めているかのように書いているが、韓国側の危険な行為に対して、謝罪させるのが筋。政治状況など関係ない。百歩譲って東京新聞の言い分を聞くとしても、そもそも徴用工の問題は1965年の日韓基本条約での合意を無視する韓国サイドに問題がある。

 自衛隊が韓国機に対して同じことをした場合、東京新聞はどんな反応を示すか、想像してみてほしい。それなのに韓国に対するこの優しさは何なのか。一言で言えばダブルスタンダード。報道する資質の問題だと、僕は思う。