5月14日の朝日新聞の社説は「成人年齢18歳、若者狙う商法に備えよ」というタイトルで、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案の審議が、衆議院法務委員会で前週から始まったことを取り扱っている。

何だか雑だな、と感じる朝日社説

朝日新聞は成人年齢を18歳に引き下げることにより、18歳、19歳を新たなターゲットとして消費者被害が増えることを最も心配するとした。これは当たり前のことで、民法上の未成年の保護がなくなる最も若い世代が狙われるのは言うまでもない。逆に言えば今、最も被害が多いであろう20代前半の被害は相対的に低下する可能性がある。

そのために政府は消費者契約法改正案を同時に国会に提出しているわけで、そこでの対応が求められる。ところが朝日新聞はその改正案についても「カバーできる範囲は限られる」として、さらなる保護を求め「知識不足から高額な商品を買ってしまった場合などにも取り消しを認める案も検討されたが、業者側の異論が強く、見送られた」としているのはどうにも、よく分からない。何か、業者は常に悪役にされているではないか。

このあたりの議論が雑だなと、感じる。確かに悪徳商法への対策というのは必要。しかし、その保護を優先したら「取引の安全」が害されるという重大な作用が発生することに注意しなければならない。一度売買契約が成立した後に、簡単にその契約を取り消せる、あるいは解除できることにしたら、国民経済は大混乱に陥ってしまう。若者の保護を強調しすぎると社会全体が機能不全を起こしかねず、そのバランス、さじ加減を法定するのは非常に難しい。そのために消費者契約法や民法上の意思表示の瑕疵、解除の規定がある。

結局、朝日新聞の場合、権利には責任を伴うという大事な原則について、権利にばかり重点を置く考えに立つからバランスが悪くなるのだと思う。そもそもそんなに若者を保護したら、強引な新聞勧誘をすべて後から取り消せることになって、朝日新聞も都合が悪くなると思うのだが・・。

カバーできる範囲については確かに慎重に議論を進めた方がいい。しかし、そうした慎重な議論をしようにも野党が審議に出てこなかったわけで、その責任は野党にあると僕は思う。この点について朝日新聞は「森友・加計問題などで国会が混乱する中、与党が議事の進行を優先した。委員会には『日程ありき』ではなく、丁寧な審議を望みたい」と主張しているのはどうにも理解に苦しむ。

与党や業者は常に悪役という固定観念が生んでいるから、こういう社説が出来上がるのだろう。