8月10日の毎日新聞の社説は「サマータイム議論『五輪のため』は短兵急だ」というタイトルで、サマータイム制度導入の是非を検討するよう安倍晋三首相が自民党に指示したことに触れている。

じゃあ、どうすればいいんですか?

毎日新聞の結論は後半に書かれている「『スポーツの祭典』を錦の御旗(みはた)に、2年足らずのうちに実行しようというのは、短兵急に過ぎないか。」という部分。

東京五輪を契機に導入するのは拙速にすぎると言っているわけで、導入そのものに反対というわけではない。かといって賛成しているわけでもない。少なくとも2020年に導入するのは早すぎるとし、さらに「永続的なものにと考えるなら、なおのこと慎重さが必要だ」としている。

前提条件付きの主張が多くて混乱すので、まず、前提をまとめてみよう。

① 「五輪のため」という前提

② 2年足らずのうちに実行

③ 制度を永続的なものにと考える

①と②の前提で考えれば早すぎるのではないか、さらに③であるなら慎重さが必要だと言っていることが分かる。

そしてこの前提はおそらく政府の考えと一致する。東京五輪の暑さ対策の切り札と考えているのであろう。つまり、毎日新聞は政府のやろうとしていることに限って反対しているのである。サマータイム制度そのものには賛成も反対もしていない。

それも一つの考えかもしれない。そこで問いたいのは毎日新聞は東京五輪の暑さ対策をどう考えているのか、代案を示してほしいということである。サマータイム制度により競歩やマラソンなど早朝スタートの競技は「夏時間だと、現在よりさらに早くなり、涼しい時間帯に競技が進む」と効果を認めている。その一方で「夕方以降の競技は、逆に暑さが厳しい時間帯になる。例えば夏時間で午後6時に始まる競技は、現在の午後5時開始という具合」として、サマータイム制度の導入は東京五輪の暑さ対策として不十分だということを示しているが、この論法は苦しいと思う。単純に夕方に始まる競技を夏時間でも従来の時間に合わせれば解決するからである。

サマータイム制度の導入による東京五輪の暑さ対策は一定の効果があるのは間違いない。それを導入に慎重にというのであれば、毎日新聞はこの暑さ問題をどう解消するかを示さないと言論機関としての責務を果たしたことにならないであろう。

ただ、政府の方針だから反対しているとしか思えない内容。しかも代案なしで問題解決に何ら寄与していない。それが毎日新聞のスタンスなのであろうか。何ともお粗末な社説だと思う。